曲作り期間中は
夜、布団に入っても出来たてのメロディが脳内で流れ続け
眠れなくなってしまうときがある。
脳が覚醒しっぱなしになってしまうというか。
昨夜もそんな感じで眠れなくなり
今に至る。
脳みそをゆるめようと
ぼんやり湯船につかっていたら夜が更けてしまった。
しょうがないから
部屋のストーブをつけ
本棚に目をやる。
こういうときは
写真つきのエッセイ
山の写真の本
なんかをみながら
熱いお茶をそそぐ。
たくさんの写真を見ていて
ふと思った。
冬の写真が好きだ。 と。
冬はそんなに好きな方でない。
故郷は北国だけど寒いのは苦手。
でも写真のなかでの話だったら、春夏秋冬の中で冬が一番好きかもしれない。
あざやかで
凛としていて
極限の世界の中で
煌めく何かがある。
写真は、いつかの白馬の山々。
わたしの故郷は
今ごろ雪がもっさりと降っていて
そんな季節が4月近くまで続く。
はたまたさらに北上して北海道なんかは
マイナス30度だとか
ニュースになっていて
同じ日本なのに
信じられない。
さらにさらに北上して
カムチャッカ半島あたりはどうなっているんだろうか。
アリューシャン列島はどうなっているんだろうか。
グリーンランドはどうなっているんだろうか。
もはや想像できない。
そんなふうに脳内旅行をしているうちに
いつのまにか街は動き出して
三が日が終わって仕事先へむかう人の足音が聞こえてくるんだ、これからきっと
そして私はまた今日も
ピアノにむかってあーでもないこーでもないと
独り言を言いつつは
ノートに汚い文字を書くのだろう。