さてさて、続けざまに行きますが、
この度秋田に帰ったのは「紙風船上げ」という冬祭りを見に行くためでした。
ずうっと見たかったんですが、予定が合わず行けず、五年越しの想いで親友と行く事ができました。
紙風船上げという祭りは五穀豊穣や家内安全を願う為の民俗信仰からきた祭りのようです。かなりの大きさの紙袋にバーナーで暖かい空気を送り込み、最後に灯油をしみ込ませた布の玉を底部にくくりつけ、それに火をつけて一気に手を離します。そうすると大きな紙風船はぐるぐるんと弧を描きながらのぼっていき、一定の高さまであがるとゆっくりと空中を彷徨うんです。
その優雅さは言う事なし。高い空に十数個の紙風船がゆらゆらと揺れている光景は、予想以上の幻想的な絵となりました。
まあでもやっぱり紙風船なわけですから、風に煽られてもみくちゃになって火が燃えうつって燃えさかるという事や、山に落ちてあわや山火事か?となる事や、物販テントの上に落っこちてきてテントが危ない、なんてこともあるわけです。
そこに登場して我々のハートにいとも簡単に矢をさしたのが
「火消し衆」です。
衣装は消防の法被、頭に豆絞り、手には柄の長い鎌のようなもの。
「火消し衆」。
火消し衆は紙風船が上記のような大惨事になりそうな時どこからかやってきて、水も使わず鎌のみで風船をたたき割り、すすだらけになりながらも風船を跡形もなくし、そしてまたいづこかへいなくなる…という集団でした。
そのお手並み、手際が良すぎて私たちは完全に
「かっちょいい〜」と打ちのめされてしまったのでした。
祭りも終わり、酔っぱらいのじいさんにからまれながらも、
「いや〜来てよかったね。」と上桧木内駅までの道のりをとぼとぼと歩いていた所、
横を一台の軽トラックがブーンと横切りました。
ふっと軽トラックの荷台に目を向けると、火消し衆が
「エグザイル」のようにキメキメの立ち位置でタバコをふかしていました!!
おそらく自然に「エグザイル」になったんでしょうが、
私たちは絶叫してしまいました。
去り際もかっこいい!!!と。
↑が軽トラックの荷台に乗っていたとお考え下さい。
帰りの電車の中や、次の日の飲み会では火消し衆の話で持ち切りになりましたとさ。